■取り立てからの解放
他の債務整理と同様に、自己破産にはメリットとデメリットというふたつの顔がありますから、これから自己破産をしようと考えている人はその両方を天秤にかけてみて、自己破産が本当に自分に最適の道かどうかをじっくりと考えてみる必要があると言えます。

まず、自己破産をすることによって受けることのできる最大のメリットのひとつは「取り立てから解放される」ということです。

弁護士や司法書士に手続きを依頼した場合には通常、その時点で貸金業者からの取り立て行為が規制されることになります。また、自分で手続きを行う場合でも、自己破産の申立書を裁判所が受理した時点で取り立て行為が制限されることになりますから、理不尽な厳しい取り立てに閉口している人にはこの自己破産が救世主とも言えるのではないかと思います。

■借金の支払い義務
裁判所が自己破産の申立書を受理すると「受理票」というものを発行します。この受理票をキャッシング会社などの債権者に送付すればその後の取り立てはできなくなりますが、中には専門家が介入していないことにつけ込んで受理票を受け取った後も取り立てをしてくる悪質な債権業者もいないわけではありません。この場合は、財務局に通報すれば事が解決することを覚えておくと役に立つはずです。

一度免責を受けてしまえば借金の支払い義務がなくなるため、これまでの借金の返済に追われる生活から抜け出すことができます。ただし、税金などの一部の債務はこれに含まれないこともありますので、弁護士や司法書士にあらかじめ尋ねておくことをおすすめします。

■破産法とは
債務整理で自己破産をしようかと考えている人にとって大切な法律に「破産法」と呼ばれるものがあります。破産法は2004年6月2日に交付された法律で、倒産手続によって起こる破産について細かく規定しています。

破産手続きに関しては「一般破産主義」「商人破産主義」「懲戒主義」「非懲戒主義」「免責主義」「非免責主義」など国によっていくつかのタイプがありますが、日本では現在「一般破産主義」「懲戒主義」「免責主義」に近いコンセプトが破産法に採用されています。

よく、破産宣告をしてしまえば債務はすべてチャラになると考えている人がいますが、実際には消滅しない債務もあるので、破産手続きを考えている方は要注意です。

■日本の破産法の流れ
「破産」という概念はけっこう古くからあるもので、日本においても江戸時代にはすでに破産手続きについての制定法「御定書百箇条」が存在していました。この法律では債権者と債務者の両方が申立てをできるようになっており、強制執行力も持ちあわせている実用的なものでした。

この「御定書百箇条」と「慣習法」、そしていくつかの外国の法律を参考として「華士族平民身代限規則」が明治5年に立法されています。その後、フランスの法律を規範として「旧商法破産編(商法 第三編)」が1890年に交付され、ここで初めて本格的な破産手続きに関する統一的な規定が置かれることになりました。

1922年にはドイツの法律を参考にした「破産法」が交付され、以来2004年の現破産法まで実行力を持っていたというのが日本の破産法の大きな流れです。

■破産法の内容
現破産法は「第一章 総則」「第二章 破産手続の開始」「第三章 破産手続の機関」「第四章 破産債権」「第五章 財団債権」「第六章 破産財団の管理」「第七章 破産財団の換価」「第八章 配当」「第九章 破産手続の終了」「第十章 相続財産の破産等に関する特則」「第十一章 外国倒産処理手続がある場合の特則」「第十二章 免責手続及び復権」「第十三章 雑則」「第十四章 罰則」から成っています。

破産手続に関して具体的な記載がありますので、一度読んでみることをおすすめします。法律というとなんとなく難解そうなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際に読んでみると意外とわかりやすいことに驚くと思います。

時代が変わり、破産宣告をする人が増加している昨今ですが、できれば借金で首が回らなくなる前に何らかの対策を講じて、できるだけ自己破産をしない努力をしたいものです。